

夫との間に特別な不仲があったわけじゃない。
けれど、気がつけば、1年半ほどセックスがなかった。
仕事も忙しい。
子どもも手が離れ、夫婦の会話も形式的になり、
「触れたい」「抱かれたい」なんて、どちらの口からも出なくなっていた。
私は41歳。
まだ女として終わったつもりはなかった。
だけど、女として見られない時間が続くと、自分がただの生活装置みたいに思えてくる。
そんなある夜。
誰にも見せるつもりのなかった“本音”を、匿名のSNSに投稿してしまった。
「触れられていない肌が、どんどん冷たくなっていく気がする。」
深夜、ひとことだけ。
寂しさの延長だった。
でも──その投稿に、ひとつのDMが届いた。
「その冷たさ、溶かせるかもしれません。」
それが、彼との出会いだった。
彼は44歳、独身。
メッセージの文面は落ち着いていて、大人の余裕があった。
無理に距離を詰めてこない、けれど私の言葉をきちんと受け止めてくれる人だった。
毎晩、短い会話を重ねるうちに、気づけば、彼からの返信を待つようになっていた。
「旦那さんと、仲が悪いわけじゃないんですよね?」
「ええ。でも、もう女としては見られてないと思う。」
「俺は、今あなたを“女”として見てます。」
その言葉が、ズシンと胸の奥に落ちて、指先が震えた。
恋じゃない。
でも、それ以上に、“女として求められること”に飢えていた。
数日後。
「会いませんか?」
彼の誘いに、私は──迷わなかった。
待ち合わせ場所のカフェ。
彼は写真よりも柔らかい雰囲気で、目がとても静かだった。
お互い、恋人を探しているわけじゃない。
でも、誰かを“抱きしめたい”と感じていた。
コーヒーを飲み終わるころには、もう私の身体は、彼の手に触れられることを待っていた。
「ホテル、行く?」
彼の声は、まっすぐだった。
卑猥じゃない。でも、拒めないほど男らしかった。
部屋に入るなり、私は彼の腕の中に沈んでいった。
キスは優しく、でも徐々に深くなっていった。
舌が絡むたび、奥の方から熱が上がってくる。
「ずっと、こうしたかった」
「私も……」
スカートの中に彼の手が滑り込み、ショーツ越しに触れられたとき、すでに私は信じられないほど濡れていた。
彼はそれに気づいて、小さく笑った。
「ちゃんと、女なんだね」
その言葉が、心を溶かしていく。
私の中で眠っていた何かが、熱を帯びて暴れ出した。
ゆっくりと脱がされて、彼の舌が胸元を這ってくる。
指で撫でられるだけで、震えが止まらなかった。
「身体、我慢してたんだね」
彼の指が、じっくりと私の奥に沈んでいく。
浅く、深く、また浅く──
じらすように膣内を撫でる動きに、腰が勝手に動いてしまう。
「……んっ、だめ、そんなに……」
「いいよ。感じていい。全部、出して」
唇を重ねながら、彼は私の中を探るように何度も突き上げてくる。
私はもう、自分の声を抑えることなんてできなかった。
そして──彼が指を抜き、自身をあてがった。
「入れるよ」
「うん……っ、来て……」
彼のモノがゆっくりと、私の奥へ奥へと入ってくる。
圧迫される感覚に、身体が痙攣した。
「……すごい、奥まで……きてる」
「感じる?」
「うん……もっと、奥、もっと……!」
彼の腰が打ちつけられるたび、快感が子宮の奥に届く。
今まで知らなかった場所が、びくびくと震え、熱くなる。
「やだ……なんか、きてる……中が……」
彼の指が私のクリを同時に刺激した瞬間、
何かが弾けたように、膣の奥から快感が爆発した。
「っああああっ……!」
背中をのけぞらせ、何度も奥を絞るような痙攣。
涙がこぼれるほどの快感。
全身が熱くて、真っ白で、でも確かに“そこ”でイっていた。
これが──中イキ。
私は、41歳にして初めて、女としての“深い喜び”を知った。
ホテルを出たあと、彼と少しだけ歩いた。
会話はほとんどなかった。
でも、手をつなぐその感覚が、静かに満たされていた。
「また、会いたい」
「……うん」
私は、また抱かれたいと思った。
彼じゃないと届かない場所がある。
その感覚が、まだ身体の奥で脈打っていた。
誰にも言えない。
夫にも、友人にも。
でも──私は今日、女として、初めて深く満たされた。
ネットで出会ったなんて、きっかけなんてどうでもいい。
ただあの夜、
私は“触れてほしい”と思い、
“求められる快感”にすべてを溶かしてしまった。
そして今も、
あの人の熱が、奥に残っている。