

「ごめん、ほんとに手配ミスでさ……今日、ホテルのシングル満室だったらしくて」
「えっ、じゃあ……?」
「うん。相部屋。俺と」
呆然と立ち尽くしたまま、フロントで渡されたルームキーを見つめた。
カードには“ツインルーム”の文字。
ベッドは二つあるけれど、仕切りも何もない、完全な“同室”。
出張先の地方都市。
大きな展示会の関係で、どこも宿が埋まっていたらしい。
「今さら泊まれないとは言えないしな。気まずかったら、俺は床でもいいよ」
笑いながらそう言う上司──須藤課長は、普段から“いい人”として社内でも人気の男性だった。
年齢は私より5つ上の43歳。
部下へのセクハラもなく、紳士的。既婚者の私に対しても、常に敬意をもって接してくれていた。
……だからこそ、警戒心はなかった。
なのに──まさか、あんな夜になるなんて。
シャワーを先に済ませ、パジャマ代わりのTシャツとショートパンツでベッドに入る。
彼はソファでスマホをいじりながら、私が寝るまで気を遣っている様子だった。
(きっと、なにも起きない)
最初はそう思っていた。
けれど、背を向けて目を閉じた私の背中に、なぜかじっとりとした視線を感じた。
そして、ベッドがギシッと軋む音。
彼の足音が、近づいてきた。
「ねえ、藤崎さん。……起きてるでしょ?」
(え?)
返事をする前に、彼の指が私の肩に触れた。
ピクリと震える。
「……やだ、課長……何して……っ」
「我慢できない」
そう囁かれた瞬間、覆いかぶさられていた。
身体がベッドに押しつけられ、Tシャツの裾が捲り上げられる。
「やめ……だめ……っ!」
「言葉で拒否しても、身体は拒否してないよ」
そう言われて、ショーツの上から指を押し当てられる。
「あっ……!」
下着越しに触れられただけなのに、ピクッと反応してしまった。
「ほら。……もう、濡れてるじゃん」
(いや……そんなわけ……)
でも、彼の指先が下着をずらし、そこに触れたとき──
ぬるりとした感触が広がった。
(うそ……どうして……?)
須藤課長は、強引だった。
でも、どこか優しくもあった。
指でほぐされ、口で舐められ、
声を殺しても殺しきれないほどの快感が、腰の奥を支配していく。
「……奥、弱い?」
「ちが……っ、やめて、ほんとに……っ」
言葉では拒絶してるのに、身体は彼の動きに合わせて揺れていた。
「だめ、これ以上入れたら……」
「……全部、欲しいくせに」
言葉と同時に、彼のモノが挿入された。
「っあ……! やだ、だめ、奥……っ!」
浅くも深くもない、的確に弱点を突く動き。
自分でも信じられないくらい、濡れて、締めつけていた。
「こんなに締めて……本当に、嫌だった?」
「……っ……わかんない、もう……」
何度もイカされ、絶頂の余韻の中で横たわる。
朝方近く、彼が私の髪を指で撫でていたとき、
自分の中から、どうしようもない欲望が溢れてきた。
「……ねえ、課長……」
「ん?」
「……もっと、してください……」
「……お前から、そんなこと言うなんてな」
「まだ、欲しくて……全然足りなくて……」
恥ずかしさよりも、快感が勝っていた。
「どこが欲しい?」
「……奥。もっと奥、突いてほしい……っ」
彼は起き上がり、私の身体を再び押し倒す。
「ほんとに、おかしくなっちゃったな。
何回イっても、まだ欲しいって……すっかり、俺に溺れてるじゃん」
「……うん、壊されたい……お願い、奥、もっと……」
彼の熱が再び私を貫いた瞬間、
私はもう、“理性ある人妻”なんかじゃなかった。
「んっ、あっ、ああっ……! そこっ、気持ちいい……!」
「朝まで、何回イけるか試そうか」
「イきたい……いっぱい、課長に抱かれてイきたい……っ!」
腰を打ちつけられるたび、私の中から快感があふれ、
果てて、満たされて、そしてまた──求めていた。